Last updated on 2017年12月3日
平19国交告第594号第2が出てから、
部材応力は弾性状態にあるものとして計算すること。になりました。
黄色本では、
長期及び短期の応力算定における原則は、鉄筋コンクリート造の部材の剛性をひび割れ前の初期剛性とする。ただし…
と書かれており、原則、剛性低下率βを考慮しないことになりました。
この告示が出る前は、耐震壁の剛性低下率に関する規定がなかったため、
設計者が適当な、いや、適切に値を設定して計算することが多かったそうです。
しかし、耐震壁にβを考慮するのは決して悪いことではないようです。
現在は、「剛接架構の応力割増し」が告示に規定されていますが、
これがなかった頃は、βを考慮しないと、地震力のほとんどを耐震壁が負担し、
ラーメン部分がほとんど負担しない計算になってしまうんですね。
なので、
ラーメン部分の分担率が30%程度以上になるようにβを0.2や0.15などにして応力計算をし、
偏心率の計算の時には、危険側にならないようにβ=1.0とする。などの工夫がされていたようです。
ところで、このβ。
どれぐらいの数値が適切なんでしょうかね^^;
構造一級建築士の平成20年度の問題に、この剛性低下率に関する問題が出ています。
その解答例によると…
剛性低下率0.2の設定は壁においてはほとんど終局強度近傍の数値であり、一次設計の解析に適用することは適切とはいえない。壁のせん断応力度の数値より低下率は適切に設定しなければならない。
とあります。
せん断応力度の数値より適切に設定…このあたりは、古いRC規準などをあたってみる必要がありそうです^^;
【参考サイト】
・過去の会議議事録
・建築基準法等専用掲示板
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