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「高さ」の種類

Last updated on 2020年4月23日

「高さ」というと申請上の「建築物の高さ」や、北側斜線制限の最高高さ、
または構造計算に用いる際の高さ、風荷重算出時に用いる高さ等、様々な種類があります。
皆さん、正確に理解されているでしょうか。
私はそのつもりでしたが…いざ説明するとなると怪しいところがあるので(^^;)
それぞれの「高さ」について整理しておきたいと思います。

 

【意匠関係】

①申請書に記載する「建築物の高さ」、隣地斜線制限での高さ

原則として令第2条第1項第六号の定めによる「建築物の高さ」のこと。
地盤面からの高さであり、「棟飾、防火壁の屋上突出部その他これらに類する
屋上突出物は、当該建築物の高さに算入しない」とある。
つまり、
「平均GLから最上階のパラペット天端までの高さ(塔屋を除く)」となる。

「階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分」の
水平投影面積の合計が建築面積の1/8以下の場合は階に含まれず、12mまで(ただし、
絶対高さの制限、日影制限の場合は5m以下まで)高さに参入しない。

 

②道路斜線制限での高さ

最上部は①と同じであるが、基点が「地盤面」ではなく、「前面道路の路面の中心から」
の高さとなる。
つまり、
「前面道路の路面の中心から最上階のパラペット天端までの高さ(塔屋を除く)」となる。

 

③北側斜線制限、避雷設備の規定での高さ

①の申請上の高さの緩和を受けない高さ、つまり塔屋の水平投影面積や塔屋の高さに関係なく
「平均GLから塔屋上部までの高さ」となる。

 

 

【構造関係】

④ルート判定に用いる高さ

①と同じ
「平均GLから最上階のパラペット天端までの高さ(塔屋を除く)」となる。

 

⑤固有周期Tの計算に用いる高さ

弾性域における「固有周期Tの計算に用いる建築物の高さh」は、当該建築物の振動性状を
十分に考慮して振動上有効な高さを用いなければならない。

a.陸屋根の場合…平均GLから頂部横架材又は水下コンクリート天端までの高さ(パラペットまでではない)
b.山型架構の場合…平均GLから屋根の平均高さ
c.ドライエリア等がある場合…建築物の下部を剛強な梁等で有効に拘束していれば、その部分を地盤面とみなす

 

⑥風荷重に関係する高さ

風荷重Wは、風圧力wに見付面積Aを乗じて算出される。

ここで、見付面積にはパラペットも含まれる。

風圧力wは、速度圧qに風力係数Cfを乗じて算出される。
速度圧qは、速度圧の高さ方向の分布を示す係数Eと、
基準風速Voの二乗に比例する。q=0.6EVo^2
高さ方向の分布を示す係数Eは、平均風速の高さ方向の分布を表す係数Erの二乗
とガスト影響係数Gfの積となる。E=Er^2・Gf

Erは、地表面粗度区分に応じた数値Zb,ZG及びαと高さHによって算出される値である。
Gfは、地表面粗度区分及び高さHに応じて定められる値である。

この時の高さHは「建築物の高さと軒の高さとの平均」である。

(参考文献)


・http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi

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