Last updated on 2020年4月23日
たまには構造力学に関することも…
といっても、あんまり難しいことは書けませんが。個人的に引っかかりそうなところだけ^^;
上図の2連続の梁(2連梁と呼びます)の曲げモーメント図(M図)は、以下のどれになるでしょうか?
ただし、梁の曲げ剛性はすべてEIとし、自重は無視できるものとします。
答えは、↓へどうぞ。
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正解は、
ウ)です。
ウソです。
答え:エ) です。
簡単ですよね^^;
でも、この問題、学生時代の僕を苦しめました。
だって、先生は「ピンは曲げモーメントが0になります」って言ったはずなんです。
真ん中のピンで曲げが0になってない。おかしいじゃないですか。
真ん中のピンですが、これはピン支点であってピン節点ではないんですね。
支点と節点の違いをおさえておきましょう。
支点と節点、接合部
・支点(support)… 部材、構造物を支持する点
ピン支点、ローラー支点、固定支点、(半固定支点)
・節点(node)… 部材と部材の接合点
ピン節点、剛節点、(半剛節点)
・接合部(joint)… 複数の部材が1点で集まる節点
部材端の結合状態が、ピン接合、剛接合、(半剛接合)のどれかによっていろいろな組み合わせがあります。
例)梁端ピン柱端剛接合、すべて剛接合、すべてピン接合、など
(参考:「よくわかる構造力学の基本」松本慎也著、秀和システム)
節点については、(株)ストラクチャーのコラム「節点とはなにか?」が大変参考になります^^
このように、支点、節点、接合部(結合状態)を押さえた上で、もう一度考えてみます。
上図の真ん中の〇はピン節点で、曲げモーメントを伝えませんので、M=0になります。
問題の真ん中のピン支点は、細かく言うと「左右の梁が剛接合された節点が、ピン支点によって上下左右の移動が拘束されている」状態です。
端的に言うと「左右の梁が剛接合されたピン支点」です。
ピンは曲げが0になるんじゃない、曲げに抵抗しないの。
ピンは曲げに抵抗しません。回転が自由です。
問題の左側の梁から見ていきますと、左側の梁からきた曲げは、どうなるでしょうか。
ピン支点は曲げに抵抗できませんが、剛接合された右側の梁が抵抗するのでM=0にはなりません。
もっと正確にいうと、右側の梁による曲げ抵抗分だけ、真ん中のピン支点に曲げが出ます。(曲げが吊り上がる)
また、問題の梁は、左側は梁で、右側の梁は回転バネだと考えることもできる。と思います^^;
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