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津波避難ビルの構造設計に関する資料

Last updated on 2021年3月11日

津波避難ビルに関する基準を調べたら、

なんだか長ーい名前ばかりが出てきて、いったいどれがどれなんだ( ゚Д゚)って感じですよね。

まぁ、黄色本にあっさりと書かれてはいるんですけど、
頭の中を整理するためにまとめておきたいと思います。

 

津波避難ビルの構造設計に関する指針の変遷

中央防災会議より、

2003年5月 東海地震対策大綱が出される。

2003年12月 東南海・南海地震対策大綱が出され、津波防災に資する津波避難ビルの必要性が認識されてきた。

㈶日本建築センターでは、

2004年度の自主研究として津波避難ビルの構造設計法に関する検討が行われた。

その検討の最中、

2004年12月 スマトラ島沖地震によるインド洋大津波の被害が発生。

内閣府から、

2005年6月 「津波避難ビル等に係るガイドライン」(以下「ガイドライン」という)が示され、

その巻末資料②「構造的要件の基本的考え方」に、㈶日本建築センターにおける検討結果が引用された。

㈶日本建築センターでは、

2005年度にも自主研究を継続し、2004年度の成果の一部見直しや試設計の実施等を行う。

 

・東日本大震災をうけ、「ガイドライン」の妥当性の検証および見直し

2011年度建築基準整備促進事業40番「津波危険地域における建築基準等の整備に資する検討」における東京大学生産技術研究所と建築研究所の共同研究では、東日本大震災の津波被害を踏まえ、津波被害を受けた建築物等の計測浸水深と建築物の諸元および被害状況等に基づき、「ガイドライン」に示された津波避難ビルの構造設計法等について、その妥当性の検証および見直しの必要な項目の抽出やその内容に関する検討を行った。

この成果が以下等に反映される。

■技術的助言(国住指第2570号,2011年11月17日)の別添

「東日本大震災における津波による建築物被害を踏まえた津波避難ビル等の構造上の要件に係る暫定指針」(以下、「暫定指針」という)

■平成23年12月14日に制定された津波防災地域づくりに関する法律(津波防災地域づくり法)の告示(H23国交告第1318号,2011年12月27日)  (←名前からも分かりますが、これは建築基準法ではありません。)

「津波浸水想定を設定する際に想定した津波に対して安全な構造方法を定める件」

「暫定指針」をもとに津波防災地域づくり法における避難施設の技術基準(津波防災地域づくりに関する法律施工規則)が作成された。

この技術基準の解説として、国土交通省住宅局補助事業として講習会テキスト「津波避難ビル等の構造上の要件の解説」(2012年2月)を用いた行政担当者及び確認検査機関所属の確認検査員向けの講習会が開催された。

 

まとめ

■津波避難ビルの構造的な検討に係る基準

「ガイドライン」巻末資料②「構造的要件の基本的考え方」(2005年:内閣府)

「暫定指針」(2011年:国土交通省住宅局)「ガイドライン」に東日本大震災の被害調査から得られた知見が追加されたもの

講習会テキストには、技術基準の解説の他、設計例が掲載されている。

 

~memo~

「ガイドライン」では、水深係数を一律a=3とされていた。(a=3は模型実験の結果により得られた係数であり、陰に流速の影響が含まれている。)

「暫定指針」では、津波荷重の設定の合理化(海岸からの距離、遮蔽物の有無によりa=1.5, 2.0, 3.0から選択)、その他設計上の配慮について明確化された。

 

既存建築物の対津波性能の診断

平成27年3月

「静岡県既存建築物(RC造、S造)の対津波診断マニュアル」

(一社)静岡県建築士事務所協会

 

 

■参考文献

・「東日本大震災合同調査報告 建築編5」

津波避難施設の位置づけについて

 

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