Last updated on 2017年4月11日
『2015年 構造設計Q&A』 一般社団法人 日本建築士事務所協会連合会』のp.267を参考に、 建築規準法および耐震診断基準で想定している地震動の大きさと、建築物に求められる耐震性能 をまとめて絵にしてみました。
gal(ガル)とは地震の揺れの強さを表すのに用いる加速度の単位(cm/sec^2)のことです。
ちなみに地球の重力加速度は、1G=980cm/sec^2=980galとなります。
詳しくは、耐震ネット様のHPへどうぞ。
対象とする建築物は中低層の短周期構造物で、応答倍率(応答加速度と入力加速度の比)は2.0~2.5と仮定しています。
応答倍率2.0とは、地表面が200galとすると、建物の揺れの加速度が2.0倍の400galになることを表しています。
昨年の4月に起きた熊本地震では、最大加速度1580galが観測されたそうです。
建築基準法では、大地震に対する応答加速度として1000gal(標準せん断力係数C0=1.0なので、 正確には980galですね。)を想定して構造設計をしています。
建築基準法の規定は、あくまで最低限守られるべき値なので、 実際の構造設計では、規定値ぎりぎりではなく、余裕をもって設計をしています。
また、実際は、構造計算上、耐力に見込んでいない雑壁や仕上げ材の耐力などの余力があるほか、構造計算上の地震力の扱いと実際の地震力の違いなどから、適切に設計されていれば、計算結果よりも耐力に余力がある場合が多いです。
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