Last updated on 2020年4月23日
どうも。
花粉は吸ったほうが免疫が付くんじゃない?
と言いつつ、薬に頼ってます。
また杭の話です。担当物件がただいま絶賛杭工事中なので、それに影響されてます^^;
街中の建物は敷地が狭いため、既存杭の位置が新設杭と干渉することが多いですよね。
そんなときの対応をまとめておきたいと思います。
■現状の確認
・既存杭の種類(場所打ち杭、PC杭)、位置を確認する。
■設計方針の検討
①既存杭を避けて新設杭を計画する。
杭の位置、柱の位置が制限されるため、計画的に無理がないか確認する必要があります。
また、既存杭と新設杭の間隔が少ない場合、新設杭の支持力に摩擦力を見込んでいいか検討する必要があります。また、既存杭は真っすぐ施工されているとは限らず、多少傾斜していることもあるので、間隔には余裕をもつことが必要かと思われます。
②既存杭を撤去して埋戻した後、杭を新設する。
既存杭が細径のPC杭だった場合は、引き抜くか、粉砕することが可能ですが、太径の場所打ち杭だった場合は、撤去が大変になります。埋戻しには、良質の建設発生土、砂質土(山砂、川砂など)、流動化処理土(福岡の駅前道路沈下の復旧に用いられたやつですね)などを用います。既存杭がPC杭で、新設杭の位置と重なる場合は、それを包含する太さの径の場所打ち杭とすれば、既存杭の影響を考えなくてもすむことになりますね。
③既存杭を利用する。
これは一番やっかいです。鉛直支持力算定および構造細則等は現在の設計手法に照らして設計しなければなりませんが、昭和60年以前の杭は水平力に対する設計がされていないものが多いです。また、以下の作業が必要になります。
・耐久性の確認。鋼管杭であれば腐食の程度による判断
・設計当時の要求品質を確保できているかの確認(施工検査記録が保存されているかどうか)
・確認の検査済証が保存されているか確認
・載荷試験による支持力の確認
【参考文献】
・建築技術2016年8月号 杭基礎を正しく設計・施工するための基礎知識(監修:桑原文夫+加倉井正昭)
・2015年 構造設計Q&A集、日本建築士事務所協会連合会
・基礎構造の耐震診断指針(案)、ベターリビング、2013.6
・既存杭等再使用の設計マニュアル(案)、2008.11
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