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SS材・SM材・SN材

Last updated on 2021年6月18日

ほとんどSS材を使うけど、板厚方向に大きな力がかかるようなダイアフラムには SN材のCを使う(SN490C)。SN材は高いので、官庁物件等で指定された時以外はあまり使わない。

一般的な構造設計者がすぐに答えられる知識はこんな感じだと思います(たぶん)

今一度、整理しておきたいと思います。

 

①特徴

■SS材(Steel Structure:一般構造用圧延鋼材)…SS400/ SS490/ SS540

SS400:最も広く使われている鋼材で、溶接性も比較的良好である。SR235も同じ材質。

SS490,540:溶接性が悪いので、溶接をしない部材や添え板等に使用される。

 

■SM400(Steel Marine:溶接構造用圧延鋼材) …SM490A,B,C/ SM490YA,YB /SM520

SM490:A,B,Cの順に溶接性が良くなる。溶接用鋼材としては最も多く使用されている。

SM490YA,YB:高降伏点鋼で、SS400,SM490に比べて降伏点強度が高い(引張強さは変わらない)

SM520:高張力鋼材で一般的には使用されない。

 

■SN材(Steel New:建築構造用圧延鋼材) …SN400A,B,C/ SN490A,B,C

SN400A:SS400と同等

B :降伏点(比)の上限を規定し、塑性変形能力を確保。溶接性が良い

C :Bの性能に加え、板厚方向の引張力に対する性能を確保

 

②使い分け

・小梁、母屋、胴縁およびそのほかの小物鉄骨には一般にSS400を用いる。

・4~5階建のS造では、柱・梁の主材もSS400を用いることが多い。

・地震時などに大きな応力を受け、溶接接合部の板厚が25mm以上となる場合には、溶接性の良いSN材やSM材を用いる必要がある。

・柱に冷間成形角形鋼管を用いた場合は、通しダイアフラムにはSN490Cを用います。

厚さ40mmを超えるダイアフラムにはTMCP鋼板を用います。

TMCP はThermo Mechanical Control Process( 熱加工制御) の略で、鋼材の圧延過程において所用材質性能を確保するために、スラブ加熱~圧延~冷却の各工程の温度あるいは圧下率を厳密に管理する製造方法です。詳しくはJFEスチール様のHPへどうぞ

 

③トン単価の比較(鉄鋼新聞2017年3月より)

・H-300×150~H-500×200の場合

SS400で80,000円

→SS490にすると+2,000円(2.5%アップ)

→SN400Aにすると+3,000円(3.8%アップ)

→SN400Bにすると+4,000円(5.0%アップ)

→SN490Bにすると+7,000円(8.8%アップ)

→SM400Aにすると+1,000円(1.3%アップ)

→SM490Bにすると+5,000円(6.3%アップ)

 

ということで、大ざっぱにみてみると

・SS材をSN材に変更すると約5%アップ

・溶接組み立てブレースなどに使うためSM490材にすると約6%アップ

・SN材で強度も高いSN490Bにすると約9%アップ

といったところでしょうか。消費税分ぐらいアップするんですね。

まちがってたらすみません。

ちなみに💡

H-400×200の1トンってどれぐらいあるのかというと、

65.4kg/mなので、1000kg/65.4=15m。

15mっていうと、7.5mスパンの2本分ですね。それで8万円なり(^^♪

65.4kgっていうと、ちょっとがっちりした成人男性ぐらいですね。

僕はというと…裏サイズであるH-396×199ぐらいです(笑)

 

④その他注意点

・鋼材は強さに関係なくヤング係数は同じであるため、部材断面が小さくなっても  座屈や変形の問題で構造性能が決まることがあるので、高強度にすれば構造性能が良くなるとはいえない。

・SN材はSS材に比べて幅厚比の制限を若干緩和することができるため、SN材に変更すると保有水平耐力がアップすることがある。 SN材のB,C種については、フランジとウェブの幅厚比の相関を考慮した制限値を用いることができます。

 

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鋼材にはこの他にも、いろいろな種類があります。

冷間成形角形鋼管のSTKR、BCR,BCPなど、また今度記事にしたいと思います。

 

<参考文献>

・「実務から見た鉄骨構造設計」上野嘉久

・「構造家のための鉄骨構造」 佐藤邦明

・「新 構造計算の実務」SE委員会 ・SS材・SM材とSN材の違い

wiki

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