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偏心率がおかしい

Last updated on 2017年4月9日

平面的に不整形な建物の立体解析をしたら、偏心率がおかしな値になってしまいました(^^;

 

まあ、予想はしていたのですが、ソフトの仕様上、「ねじり剛性や水平剛性が0または負になった場合はFeを1.5とする。」となっていたのです。

おかしな値になった場合は、計算できないので上限値をとりますってことですね。

これでは説明できないので、なんとかしなければ(^^;

ってことで、計算マニュアルなどを見直しておこうと思います。

 

■偏心率の計算

①応力解析(一次設計)

②重心位置の計算

概算軸力(各節点の重量の累計)or 長期軸力による。

③剛心位置の計算

応力解析で得られた層せん断力と層間変位から、各鉛直部材の水平剛性を求め、それをもとに剛心位置を計算する。
理論式(「構造物の振動」を参考に剛床の回転中心を剛心位置として算定する方法)or 基準解説書による(並進架構(各階が水平力作用時にねじれを生じず、かつ、同一の水平変位となるような架構をいう。)とし、不整形な建築物は対象外となる。

 

・鉛直部材の水平剛性
鉛直部材の水平剛性は、主軸方向と一致する地震力の結果を用いて計算するが、主軸方向と地震力の方向が一致しない場合、地震力の結果を組み合わせて計算する。
(X正Y正、X正Y負、X負Y正、X負Y負の4通り。雑壁の考慮or考慮しないを入れたら8通り)
剛心位置は、当該階が剛床であるとき、水平力をどの角度で作用させても剛床が回転せずに純粋な並進性変位が生ずる位置。

 

④ねじり剛性と各方向の水平剛性

ねじり剛性KRと各方向の水平剛性(KX、KY)から弾力半径を求め、弾力半径/偏心距離=偏心率

 

※KR,KX,Kyのいずれかが0または負値となる場合、Feを1.5とされる。

 

・主軸方向の算定
理論式を用いて剛心を計算した場合、各階の剛性の主軸方向θを計算する。
水平力を剛心位置に作用させたとき、加力方向が主軸方向であれば、加力方向と変形の方向が一致する。

 

■剛性率の計算
剛心位置の層間変位と当該階の標準階高より求めた層間変形角を用いて剛性率を計算する。
各階の層間変形角の逆数rs、地上部分についてのrsの相加平均より、剛性率を求める。

 

■層間変形角の計算
すべての柱について計算し、最大の層間変形角により判定する。
層間変位は加力方向成分を採用する。

 

(参考文献)

・「SS7マニュアル(計算編)」

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(株)構造ソフトの技術情報、偏心が大きくなる要因と計算方法により異なる剛心位置の注意点は参考になりますね。

「BUILD.一貫Ⅳ+」では、耐震壁が斜めに配置されたような場合でも、正確な剛心位置の計算ができる「改良理論法」が使用できるようです。上で書いた理論式は、従来理論法にあたるようです。

この改良理論法は、「不整形立体架構の剛心と偏心率の計算方法の提案」(栗田哲、吉村 貴司、千葉一樹) 日本建築学会大会学術講演梗概集 2010 年 9 月) に書かれているようです。

 

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