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RC柱梁接合部の保証設計

投稿日:2019年8月10日 更新日:

柱梁接合部の(せん断)保証設計ってなかなか余裕度を確保するのが難しいですよね^^;(僕だけでしょうか…)
柱はそのままで、梁を変更した場合どうなるのか、検証してみたいと思います(`・ω・´)

①梁主筋本数を変えずに1段筋を2段筋にするとどうなるでしょう?

梁の曲げ耐力が減少するから、接合部に作用するせん断力も減少して、せん断余裕度Vju/QDuは増加するでしょうか?
ということで、検証してみます。

■例:梁上端筋6本を5/1に変更し、梁崩壊のままの場合。

・Tu :梁主筋とスラブ筋の材料強度に基づく引張力 … 変化なし
・Mb1(Mb1’) :接合部に接続する左側(右側)の梁の節点モーメント(曲げ耐力) … 少し減少する
・Qcu:接合部に接続する上下柱のメカニズム時せん断力(接続する上下柱のはり曲げ降伏時せん断力の平均値) … 少し減少する(Mbが減少するため)
・QDu:接合部の設計用せん断力 … 少し増加する
QDu=Tu+Tu’-QcU において、Tuは変化なしでQcUが小さくなるためQDuは増加する。
・Vju:接合部の終局せん断強度 … もちろん変化なし

よってVju/QDu(余裕度)は、減少してしまいます(-_-メ)

なんか感覚と違うんですけど、
そういう計算式で計算してるからってことですよね、きっと。

 

②梁主筋本数を変えずに梁せいを上げた場合どうなるでしょう?

■例:梁せいを800から900に上げ、梁崩壊のままの場合。

・Tu … もちろん変化なし
・Mb1 … もちろん増加する
・Qcu … 増加する(Mbが増加するため)
・QDu … 減少する
QDu=Tu+Tu’-QcU において、Tuは変化なしで、Qcuは増加するためQDuは減少する。
・Vju … もちろん変化なし

よって、Vju/QDu(余裕度)は、増加します(^^)/

 

まとめ

梁主筋本数を変えずに1段筋を2段筋にしても接合部設計には効果はありません。
梁主筋本数を減らせばメカニズム時に接合部に作用するせん断力は減少し、保証設計に有利となります。
接合部の体積、Fcを上げると、接合部の耐力が上昇します(当たり前か^^;)。
接合部の体積を増やすには、柱巾、せいを上げるか、梁巾、せいを上げるか、梁に水平or鉛直ハンチを設けるとよいです。

もっと細かく考えると、
■梁崩壊の場合
 ・接合部の水平有効断面積を増やす。(柱サイズ、梁幅を上げる)
 ・梁主筋本数を減らす。
 ・梁せいを増やして(梁主筋本数はそのまま)梁の曲げ耐力を上げることで、設計用せん断力を減らす。
 ・(梁崩壊となるうちは柱主筋本数はほぼ関係なし。)

■柱崩壊の場合
 ・接合部の水平有効断面積を増やす。(柱サイズ、梁幅をあげる) 
 ・柱主筋本数を減らす。
 ・梁せいを増やして設計用せん断力を減らす。(Dc/DbのDbが増えるので鉛直せん断力が減る)
 ・(柱崩壊となるうちは梁主筋本数はほぼ関係なし)

※柱崩壊か、梁崩壊かの判定は、危険断面位置での曲げ耐力ではなく、節点位置での曲げ耐力によるので注意。

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-RC

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